夫が「最近のゲームはきれいですごいなあ」といって眺めていた予告編集にこのゾンビゲームがあった。登場人物のパルクールのような動きと音楽がよく合っている。(ゾンビにご注意ください)
それで、このホワーとした歌い方と勇ましい曲調が気になって作曲者を調べてみたら、公式ミュージックビデオが物凄くよくて、フランス人映像作家 Yoann Lemoine(ヨアン・ルモワンヌ)が、ミュージシャンWoodkid(ウッドキッド)としてリリースした楽曲に自ら手がけた映像をつけたもの、つまり作曲・歌・映像をすべて自分でやったということで、才能に溢れた凄い人だということが判明した。
私がきれいだなとおもったところを切り出したらシンメトリーな画像ばかりになってしまったけれど、他にも吠える犬、太鼓を叩く人、後ろ脚で立ち上がる馬、飛ぶ首飾りなど、全てがスローで、白黒の映像であることを確実に活かしていて質感が浮かび上がるようです。石や羽、雫や土埃、肉の振動や視線の鋭さも色が無いことで形状や質感へ目が行き、動きや構図ふくめて全てが美しい。しかも音楽と映像どちらかを取ってつけたようにしてあるものが多い世の中で、”存在感のある歌声と音楽だけでも格好いいもの”に”無音の作品だとしても充分見応えのある力強くて綺麗な映像”が付いてこの合い具合というか世界観の一致、一人の人で作っている強みだろうか。曲の歌詞は具体的なものではないし映像に出てくる不思議な人たちに説明は一切ないし彼らがどこへ向かっているかも不明なのだけど、こちらの想像に拍車をかけるような仕上がりになっていて、すばらしい未完の絵本を手に入れたような気持ちになる。
Woodkid – Iron
(here innocences burn in flames
A million mile from home, I’m walking ahead
I’m frozen to the bones, I am
A soldier on my own, I don’t know the way
I’m riding up the heights of shame
I’m waiting for the call, the hand on the chest
I’m ready for the fight, and fate
The sound of iron shocks is stuck in my head,
The thunder of the drums dictates
The rhythm of the falls, the number of deads
The rising of the horns, ahead
From the dawn of time to the end of days
I will have to run, away
I want to feel the pain and the bitter taste
Of the blood on my lips, again
This deadly burst of snow is burning my hands,
I’m frozen to the bones, I am
A million mile from home, I’m walking away
I can’t remind your eyes, your face)
全画面にしてぜひご覧ください。こちらは怖いものはないです。犬がちょっと怒ってる。で、その続きのような映像(男の子はちょっと『かいじゅうたちのいるところ』を彷彿とさせます)と、逃げろ、少年、逃げろ、という歌のミュージックビデオ。これが冒頭のゾンビゲーム予告に使われていた曲なのですが、こちらの映像にも魔物がたくさん出てくるのですが、全然違っておもしろい。左から右への進行はIronとおそろいです。
Woodkid – Run Boy Run
この11分間の映像と音楽もきれいでした。
Woodkid feat. Max Richter “Embers”「The Golden Age」(2014)
WIIDKID : http://www.label-gum.com/collections/woodkid