Article
0 comment

新しいお仕事先で

12月から新しいお仕事なので、それまではそわそわと文房具やお仕事着を選んでいました。
紺、臙脂、黒が多くなってしまった。

夫が(再)就職お祝いを買ってくれました。
国芳と国貞展のグッズです、
踊るねことねこの髑髏と大髑髏。
髑髏の手ぬぐいはフルカラー注染で、使うの勿体なく感じられるので額縁の購入を検討中です。

 

お弁当箱は持っているのですが、保温性の高いスープジャーは持っておらず、
ずっと考えていたのですが、この機会に買いました。
これにしました。

揃いのケースと箱付きスプーンも買ってしまいました。
これはすこし前の型のジャーとケースのようで、新しいものにするとケースにスプーンをセットできるとか…?
0.4L(新しい型のものよりちょっぴり大きい)というサイズと、このクリーム×茶という色がよかった(新しいのは水色や橙色)のでこれにしました。
かなり高性能です。魔法瓶メーカーならどこのでも今のものはだいたい高性能かとおもうのですが、サーモスのは上だけひねると空気が抜けて開けやすくなるという機能があってそこが決め手になりました。熱々のものを入れると圧が変わって開けづらくなってしまうので。
こつは熱々のものを入れる前に熱湯を入れておいて本体も温めておくことです。
お昼までほかほか、これは冬にはとてもありがたいです。
すごく活用していますので、また今度お弁当についてお話しましょう。

 

Article

ブング・ジャム『筆箱採集帳』と阿部了/阿部直美『おべんとうの時間』のよさ

人の持ち物をまじまじみるのは楽しいものだ。
無礼にあたることが多いのであまりそうしないけれど、
きっと他人の家の靴箱、箪笥、本棚、鞄や化粧ポーチの中身などなど、
可能であれば持ち主にインタビューしながら
まじまじみることができたら楽しいだろうなと思う人も多いのではないだろうか。

この中で特に好きなもの、こだわっているものはどれ?
機能性重視、おしゃれ度重視、価格重視?
どこで買ったの? どうやって見つけたの?
など、のんびり根掘り葉掘り訊いてみたい。

おそらく、普段使いのものほどその人が表れるから。
おそらく、自分の知らなかったもの、お店、整理方法、意識などがあり、
どんどん自分が拡張されていくような気がするから。
おそらく、その人と近づけるから。あるいは、色々な想像ができて楽しいから。

(だから他人が撮った写真をみるのも好きだ。
必ず、被写体への気持ち あるいは”写真を撮ること”への気持ちや姿勢がどこかに表れているから)

それで、その”人の持ち物をまじまじ拝見したい!”という気持ちを満たしてくれる本が
家には何冊かある。
特に好きなのが、ブング・ジャム「筆箱採集帳」と阿部了/阿部直美「おべんとうの時間」だ。

前者は、
文房具芸人(と自称されてる)の多胡壁氏さん、文具王の高畑正幸さん、
色物文具専門サイト「イロブン」主宰のきだてたくさんの3名からなる文房具マニアユニット”ブング・ジャム”による、
イラストレーター、専門学生、会社員のかたをはじめ
小学生漢字王、保育士、陰陽師、漆芸家、36やscosのオーナーさんなど、59名(現在65名に増えた増補・新装版が出ているもよう)のさまざまな筆箱を中身ごと覗ける一冊。

写真がまず、持ち主のすがたかたちは一切なしで持ち物のみ、白い背景にいさぎよく配されていてとてもよい。
そこにブングジャムの皆さんからの写真へのコメントやインタビュー内容が少し、あとは中身である文房具のデータが小さく並ぶ。

大切に使われるべくして生まれたものが使い込まれて風格を持つケースは、紳士の道具にはよく見られることだが、ごく普通の日用品が酷使され続けた結果、持つに至った説得力にもまた、前者とは異なる魅力がある。

気取らず、それでいて必要なものが詰まっているこのセンス。実用性だけではない、きらりと光る何かがある。早く使って、と今にも踊り出しそうな筆箱である。

など、インタビューの中に混じるコメントにも文房具に耳を澄ませるような愛情が感じられて、うんうん、と思える文章でよい。

後者は、
夫婦である著者のお二人が日本各地へ取材にゆき、基本的に一般の人たち
(職業や年代はさまざま)39名のお弁当とお話をまとめたもの。
元が全日空の機内誌『翼の王国』に連載されていたものなので、
その人のこちらを向いた全身写真が、右頁。
ほぼ実物大かなという大きさの真正面からのおべんとうの写真が、左頁。
めくると、その人のインタビューと食べているところの写真。
という構造で、どんどん並んでいる。
こちらは発言をまとめた文章になっているので、独り言を読んでいるような気持ちにもなるし、おべんとうの直接の話ではなくその人の暮らし方、作ってくれる人との関係、ほかの好きなおかずの話など、人生をちらりと垣間見るような内容で、
食べているところの写真は皆すこし照れくさそうだったり笑っているところがよい。

どちらも、いつみても、どこから読んでも、おもしろい本だ。