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文房具について.

文房具屋さんには何時間でもいられる。ゆっくりぐるぐる歩き回って何周でもできる(夫にはよく呆れられる)。

文房具を見るときは 色形や手ざわりが好きか、機能はどうか、値段は、メーカーは、そのあたりを握ったり試し書きしたり裏返したりして確認するのを繰り返していってもひとつひとつは軽いし、あまり頭も体力も使わない。
そこが良い。森の中にいるように落ち着く。ボールペンが木々のように真っすぐに立っている。和紙の付箋が花ひらいている。

父が製薬会社からもらって仕事場でも余って持ち帰ってきた文房具の数々が文房具好きのきっかけだと思う。
印象づけるためか、ちょっと変わった文房具に、何だか変なカタカナの固有名詞が®のマークと一緒に印刷されていた。測量器みたいな小さなタイヤ転がし式定規だとか、本体が半透明のノック式蛍光ペン。
父も多分すこし変わった文房具が好きだ。机の上にあった “溜息3秒”だとか、紙ならなんでも等間隔の穴を開けてファイリングできる穴開けパンチの格好良いやつ。

収集しているものは特に無くて 広く浅く好きなんだと思っていたけれど、マスキングテープは勝手に集まってしまった(もっとすごい人はたくさんいる)。

手帳は格好つけてモレスキンに日記を書いていた時もあるし(ぼろぼろになっちゃった)、就活の時は無難に高橋のを使っていたと思う。
とても気に入ったカバーがあったのと、ほぼ日プランナーという中身が英語のがあることを知って(日本語ほぼ日のどでかい祝日表記などが苦手だった)、去年はほぼ日手帳に予定や日記を書いていた。

三日坊主にならないか心配だったけれど(1ページが大きくて緊張していた)、2000円弱の万年筆と紺色のインクを用意して、集めたマスキングテープをぺたぺた貼ったりして、みみずののたうつような字でなんとか一年穴を開けずに書けていた。
今年は一年ぶりにモレスキンXSに戻してみたけれど、しっくりこなくてまた来年からほぼ日にしそう。スクラップがしたい。マスキングテープが貼りたい!

持っている考え方や日常茶飯事だと思っていたことも 変わるもので、
数年後に見返したときにおもしろいに決まっているので、書くことがないなーという日でも些末なことでページを埋めておくことにしている。
何が変わるのかはわからないので、やみくもにちっちゃい穴を掘って種を植えている気持ち。

“文房具と手帳について”になっちゃった。