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こわい絵本 3. (5〜7冊め)

こちらのつづきです。

5.

ねこはひとのような考えと動きをするときがあるし、表情なんかみていると実は私などより賢いのでは、と思いひやりとすることがある。九つのたましいを持つ、と妖怪的に言われている所以じゃないだろうかと密かに思っている。
夫はたぶんきつねにばかされたことがある、という。家から離れたところで道に迷い、見付けたすっとしたきれいな顔立ちの婦警さんに道を訪ねてその通りに行ったところ行けども行けども着かない。全くの反対方向であった、とか。お稲荷さんにご挨拶に行ったら帰りの切符がポケットの中で木の葉に変わっていた、とか。
異界のものを身近に感じる瞬間、自分が安穏と暮らしていた世界がむりやり押し広げられるようでそらおそろしいのと同時にすこしわくわくもする。
この絵本は電車に乗るところは皆人間なのだけれど、山に入り怪しげな駅々に着くとそこで降りるのは同じ服でも全く姿の違う動物や妖怪たち…というつくりだそうで、服を頼りに行きつ戻りつして「この人が…!」と楽しめる、とあり、紹介されていた”四つ辻駅”で妖怪がわんさか下車するシーンには『千と千尋の神隠し』の湯屋のシーンのようなユーモラスさがあり、「異界のものや化けた動物はもしかしたらすぐそこにいるかも」と子らにちょっと思ってもらえそうで気になった絵本です。

6.

これも死を扱った絵本で初版は86年だそうなので、私が知らなかっただけでかなり有名絵本のような気がしてきました…!
私は死を初めて意識したとき、あまりにも家族が死ぬのが怖くて、母にしがみついて泣いた記憶があります。
子どもは死についてなんの知識も心の準備もない。大人だって死についてはわからないことだらけだけれど、なんとか子どもをこわがらせない方法で、でも目をそらさずに見て考えてもらう手助けはしたい。だからそれに役立つようなきっかけが絵本という形であるならば手に入れておきたい。と思います。

7.

絵は酒井駒子さん。私は彼女をworld’s end girlfriendの”The Lie Lay Land”というアルバムのジャケットで知りました。絵本の著書は『よるくま』『金曜日の砂糖ちゃん』など多数。この本は各三枚の絵からなる五つの短編集で、どれもまばたきする間ほどの短い時間に起こることを描きだしていて、そこに添えられた穂村弘さんの言葉はそれぞれに一言だけ。そして五つ目のお話が強烈過ぎて思わず絵本を投げ出したくなる、とあり、気にならざるを得ませんでした。いつか作品展に行きたい画家さんです。

絵本作家の酒井駒子さんの魅力とは。人気の作品やグッズもご紹介します(iemo)

《絵本作家》酒井駒子さんのイラストレーションが素敵すぎる(NAVERまとめ)

 

以上でした!買ったら感想や子らの反応を書いていきたいと考えています。幾冊かは内容的に数年後になりそうだけれど。
(はじめの画像はやまねこ新聞社さんより。)